ヒールオゾン療法
いつの時でもそうですが、マスコミの飛びつく情報が正しいとは限らない
「オゾンで虫歯を治療!」「治療に革命が!」とか、最近また3MIX
以来、誤解された(笑)治療法がにぎわっているようで。この機械、ヒールオゾン
という確かに革新的な機械。5年ほど前日本初上陸の時、ワシも導入を検討しました。まずはここをご覧下さい
。結構、よさげなそそる話が満載ですが、論文的根拠を見て頂ければわかるように、使い方次第ではちょっとアヤシイかもね。こんな状況ですが、歯科医師会にも電話がきたそうで、「八戸でこの器械を置いている歯科医院はありませんか。素晴らしい器械だと思うので、是非置くべきだ。」・・・・・・・どうしてなんだろう?という疑問が、現在の歯科治療の状況を端的に表しているようですね。こう言う器械や通常ではない新しい治療方法など、マスコミの取り上げる治療は基本的には保険診療では出来なものがほとんどだったり、やるからには混合診療と言う脱法行為を暗黙の了解ごとにしている可能性もあります。わしは、この器械は否定はしませんし、予防歯科的な使用には非常に有効だと考えています。しかし、厚労省の薬事認可など法的なフィルターを何一つ通っていない現状で、一般の患者さんに使用するには無責任かなと。ところが、マスコミや一部歯科医院では、これこそが待ち望まれた虫歯治療だとばかりに、自院の付加価値選択機器にしたりCMしたり。。なんか違うんじゃないかな、というよりは、その歯科の現状自体が情けないと。虫歯治療は通常の治療方法でも、今やミニマルインターべーション(生体への最小限の侵襲)と言う考え方があたり前だし、麻酔が痛いとかしないとか、一体いつの時代の話なんだろうと思う時があります。現行の保険診療とて、この30年ものすごい進歩をしている事は事実なんです。ところが如何せん、個人的に進歩させずに自費診療との差をださんがため(自費ではこんな風にしますよ)わざと進歩させていない場合もあるかもしれません。ほらね、保険でやるとこんなに早くひどくなっちゃうでしょ・・・・と言う具合に。リスクを認識しさえすれば、保険診療も何も問題はありません。ところが最近は、そのリスクが患者さんの気にさわるケースが多く、リスク説明に翻弄される事も。そのリスク回避にリスクマネージメントの行き届いた自費診療を選択してもらう事には何の異論もありません。これらはすべて、保険診療の評価が著しく低い事が一番の原因ですが、自費診療の可否の判断を歯科医師が誤っている場合もあるかもしれません。では、どういう時、保険診療意外を選択できるのか・・・。1,初診から社会(国民健康)保険を使用しない旨を医師に伝えた場合。2,混合診療を認めている診療行為に関して。あとは思い浮かばないですね。2の混合診療が認められているのは、補綴関連と保存修復関連だけですから、いわゆる被せる詰めるの種類において、保険外診療の選択が可能です。例えばセラミックなどね。あと、インプラントは外科を伴いますが、補綴関連の延長と言う解釈で(歯が無い所をどうしようかと言う選択)保険外診療は混合診療として可なんでしょう。では、保険で治療が進み、精密検査の結果手術が必要となりました。歯周病手術に関しゴッドハンドの私ですから、手術から自費でやりましょう!・・は?・・・・原則混合診療となり脱法行為です。自費で手術する為には新たに自費で初診を起こす必要があると思われます。では、手術は保険で行ないますが、必要な最新の材料を使いますからその分費用負担してください!・・は?・・・・・・・混合診療ですなぁ。・・ハァやれやれ。。如何ですか、新しい技術と材料をふんだんに使う術を修得しても、現行では混合診療と判断され、国民の利益には全くならない現実がここにあります。前述のヒールオゾン。初診から自費で使用する分には問題ないでしょう。保険で初診で使用して幾らかのチャージは違法です。それよりも何よりも、未認可の機器を、人体に使用するという事は、とんでもない違法行為だよと、知っているのか知らないのか(笑)。。。。。保険でカバーできる診療枠を正しい評価で増やすか、混合診療の新しいシステム作りを急がないと、更なる混乱が予想されます。
Posted: 金 - 11月 2, 2007 at 05:45 午後