診療システムのリコンストラクション
来年の20周年を機会に振り返る歯科診療のあり方
雑用と言う訳ではないのですが、非常に古いHD内の古い書類をPDF化して整理しておりましたら、開業当初の自院の診療目的やシステム構築チャートが出てきまして、考えさせられました。そこから進化した最新版はこれです。。
この中に、当院としての歯科としての具体的なハウツーは記載されていません。しかし、日常の臨床とはこう言うものなんだと言う事をしっかり身につけておきたいものです。さて、当院がスタートした約20年前、ワシは診療の根本にかみ合わせと全身の健康と言う大命題を掲げていたんです。今でこそ、怪しいのから怪しくないのまで、様々な咬合と全身関連のセミナーが目白押し。多分、皆、当時の研究会やそこから派生グループの仲間です。初めの6~7年はワシも盛んにインプラントと全身と咬合と言う事であちこちで症例発表をしました。今では貴重なそしていい思い出です(笑)。鍼灸はもちろん、漢方もかなり突っ込み、カイロ、オステオパシー、、、、顎関節症等の治療理論は構造医学仕込みです。AMIという高価な機器を購入
し、インプラント施術前と施術後の全身の経絡の気の流れの違いを計測し、自分の咬合治療の善し悪しを客観的に評価したりしました。今は??実は、過去、色々論文を書きながら気がついた事があるんです。こう言う特別な仕様で患者さんに接しなければならないのは、全体の5%似も満たない事がわかったんです。要するにほとんどの患者さんには必要ないって言う事がね。人の身体の順応、適応、同化、リモデリング能力ってすごいんですよ。そこから重篤な状況に移行する人は極めて少ないんです。あたり前の事を、科学的にきちんと平均値を意識して行なえばエラーになる事はまずあり得ない。エラーになるのは、どこかであたり前の事をしてない時だけ。あるいは特別な5%の患者さんだけ。。。。昨今の全身と咬合のセミナーなど、付加価値を必要としている(コンサルにそう仕向けられている)歯科医院が飛びつくのはわかりますが、新興宗教のようになるのも一つの特徴で、その先生がやるからうまくいく(その先生からだけ特別のオーラが出ている)ということが受講者がわかるまで時間がかかるのはもったいない(笑)。その前にやはり、きちんとペリオの治療が出来るのか?正しい補綴を評価する能力はあるのか?とか一番重要でしょう。確認された証拠を元に、診療を正しく実行する、正しく実行する手技を確実にする・・・・と言うあたり前の事がどこかに行ってしまい、付加部分だけクローズアップされる今の歯科の状況を憂いでいます。皆、魔法使いになりたいんですよ(笑)。目的と目的を達成する手段。手段が目的になってはいけません。←ウチの研修医、良く読めよ(笑)。
Posted: 水 - 12月 12, 2007 at 12:44 午前