仕事始めは1月7日
周りに比べると少し遅い出だしですが・・・・
1月7日月曜日から、本年の仕事始めとなります。周りはすでに4日から診療を開始しているようですが、ウチはちと遅いですね。。でも、1月14日成人の日は、その代わりと言ってはナンですが(笑)診療いたしますので宜しくお願いいたします。
さて、正月早々こんな事を友人に聞かれまして自分なりに整理してみました。
友人「おまえんとこで、口臭の治療とかやってんの?」
ワシ「難しい事知ってんじゃん。」
友人「インターネットで偶然見たすけよ。おれもナンだか部下に言われた事あるし。」
この時ワシは普通の人に向けては詳しく説明を避けました。だって、口臭治療とか新語を説明するより、どこかに受診して診断してもらう方が先でしょ。普通の人には口臭の治療の帰着と歯科治療の帰着を区別して欲しくないものね。
さて、そう言えば10年以上前、某大学病院に見学に行くと「口臭外来」なるものを発見して驚いた記憶があります。と言うより、ま、大学病院ならありかな?と。ところが最近は、「ホワイトニング」「口臭治療」が世間一般世の中のニーズであるかのように第3者にプロモートされ、特に都市部においてはブームにすらなりつつあります。口臭を科学して学問として定着していないのに、相変わらずの状況に辟易しています。ですから少々乱暴ですが、他臭症、自臭症、これらは米国の毒です(キッパリ)。
米国の歯科は一部を除いて日本よりはるかに疲弊しています。超インフレ歯科医療にうまく乗っているごく一部のインプラントロジスト、歯周病の専門医、歯内療法の専門医、一部の矯正歯科医は、週休3日を確保し、クルーザーや自家用飛行機を持ち週末を快適に過すセカンドハウスを持っている事でしょう。しかし、米国国民の約40%は、どういう歯科治療を何処でうけているか、あるいは受けていないかすら把握できないグループで、そういう国民を抱えた歯科医師もまた、自由と言う名のもとに行き場を失った歯科医療難民を抱える歯科医師であったりする訳です。
彼らが歯科医師としてやって行くためには、本来の仕事がきちんと出来るかよりも、対個人消費としての付加価値要素を持った治療が優先される訳です。その一つが「審美」を伴うプロの「ホワイトニング」。御存知のように、米国はドラッグストアで簡便なホワイトニング剤が売っていますから、付加価値はプロの行なうホワイトニングです。そしてもう一つが「口臭治療」と言う訳です。これもまたアメリカでは付加価値選択肢の一つで、本来の歯周治療あるいは口腔健康確保で9割以上が問題解決する事を隠しながら、口臭治療の付加価値を優先させるがために、あたかもダミーの治療ステップを作り上げました。さらに最悪な事に、病的な潔癖症を産み出した反省を省みず、口腔健康を確保したにも関わらず精神的な健康を確保できない状況を、第3者によってプロモートされた「口臭」が作り上げた事実です。臭わないのに臭う、あるいは臭うはずだ、の自分を作り上げたのはほかならぬワシらの産業です。いいですか?生き物は臭うんです。米国は歯科医療も日本とは違い産業ですからこれをうまくつけばマーケットになるんです。善良な日本の歯科医師達は、あたかも目からうろこでありがたい米国様の話として、当然この話に飛びつくでしょう。本当に日本人は真面目です。
ワシは、口臭治療を否定している訳ではありません。難治性対象に口臭外来がしかるべき所に出来ても問題なしです。しかし、その背景のこういう事実を考えると方向性が違うじゃないかと言っているのです。生体異常に起因する口臭治療は、内科あるいは耳鼻科とのシェアーやリンクが必要でしょう。その診断応力は歯科医師として当然の事でありそして日常です。精神科とのリンクも当然必要な場合もあるでしょう。その診断も当然日常です。しかしこれらは口臭を主訴とする患者さんの一体何パーセントなのか考えるべきで、ワシらがそのパーセントを増やしてどうするんですか。あたり前の歯科治療の中に含まれるこれらもろもろを、あえて引っ張り出して付加価値にする米国商売に辟易しますな。ワシらGPが、口臭を主訴にしてきた患者さんに普通にあたり前に問題解決できないでどうしますか。患者さんの多様化に対応するとか言いますが、何千年も前から人は人。多様化したのは社会であって人じゃないんじゃないかな。GPなのに口臭治療専門医として作られた虚像を追いますか??・・・ワシには無理。通常の口腔健康確保で普通に口臭は気にならなくなりますって(笑)。
Posted: 日 - 1月 6, 2008 at 12:45 午前