春の穏やかな診療の一コマ
日差しも暖くなると人も暖か
過去においても、この規模この数この人数で、今の極小ドクター数でのりきっていたのはあったかなぁ・・・と。(笑)本当はぎすぎすした話題満載ですが、本日は診療室の穏やかなお話。実は最近10年以上前に来院されていた患者さんたちが、随分再来されております。まだリコールのシステムも十分ではなかった時代です。今日など開業直後に来院され、「今まで何ともなかったから」の理由で歯科には世話になっておらず、カルテ番号三桁(ウチは開業以来通し番号)!! 問診表には20年くらい前にここで治療したから、、、、と書かれてありまして。で、ウチは全てのカルテを保存して(隣にアパート借りて保存してる)おるものですから引っ張り出してきました。上顎前歯を副院長がレジン充填(白い詰め物)。左下にワシがブリッジを。その前歯が黒ずんできたのが今回の主訴であります。当時のレジン充填は光重合などではなく、ベースとキャタリストと言うペースト状のものを練和して充填しておりました。ボンディング材も今ほど気の利いたものはなく、物理的な勘合力を高める工夫などをしていたわけです。それでも、変色してもなおせいぜい3~4年持っていればいい方なんでしょうが、これはなんと20年です。副院長もさぞかし満悦でしょう(笑)。そりゃ、長く持ちゃいいって言うわけではないのですが、何かしら自分のの子供を見るようで、何となく嬉しいものですよ。さて、当院は総義歯、いわゆる総入れ歯のケースが少ないのです。ワシが未熟だからだろうなと思っていたのですが、まあ、近所にそれなりの年配のかたがたの人口が少ないって言うのもありまして、ま、少ないんです。全件数の0.3%ぐらいですから。ただし、総入れ歯にならないように大変なエネルギーを使ってシステム作りしてますからそのいい結果ともいえるのですがね。で、その、総入れ歯の方の再来がまた、非常に少ないので昔から結構悩んでいたんです。「ワシそんなに下手なのかねぇ」と言う事で、一時期結構総入れ歯ばっかり勉強したんですね。まあ、今じゃインプラントへ移行するケースも増えまして、総入れ歯の技術的な問題を深く掘り避ける事はなくなってしまって反省ですが・・・・そうしたらですよ、最近再来が増えて、10年前につくって調子がいいからとか、15年前に作ったきり何ともないのでずっと使っていたけどさすがにへたってきたんで新しくしようと来たとか。。もちろん以前もウチで作ってます。これも嬉しい。本当に嬉しいので写真とかちゃんととったり。でも、今度はそんなにうまく出来るだろうか?出来なかったら申し訳ない、とか緊張もするわけですね(笑)。何にしてもこれはこれで、子供が大人になって帰ってきた感じで(笑)。まさに、職人ですか。科学的根拠に基づいた職人ですか。気持ちはね。そういう患者さんたちを裏切っちゃいけないと、やはり勉強はいつまでも続くんだろうねぇ。診療室のスナップも、何かふんわり穏やかになる今日この頃。。お母さんの治療終了まで、お絵書きと宿題をする兄弟。そしてかわらぬいつもの景色。。
Posted: 水 - 4月 8, 2009 at 08:51 午前