日本の歯科治療の混迷
何が良くて何がダメなのか、国民に解り難いシステム
最近患者さんと、歯科医療システムの矛盾についてお話しする機会が多々あったので、もう一度整理します。なぜなら、ここ最近、歯科の技術的な問題や制度の問題がかつてに比較すると、色々紹介されているようです。しかも、ほとんどがネガティブ報道(笑)。マスコミが面白がって飛びつくこの原因はいったい何処にあるんだろうかと。。。
歯科偏向報道(笑)の背景の一番のポイントは、保険診療と自費診療の混在から来る誤解がそのほとんどですね。日歯は基本的に対外報道として保険の話ししかしない。マスコミにきれいに出てくる歯科医師たちは保険の話しはしない。そういう報道をごっちゃに聞いている国民は理解できない。こう言う基本構造があります。先進の歯科医療の紹介等がテレビに出ると、最近はそれなりに患者さんからの問い合わせがあるのですが、皆さんそれが自費治療になるなどこれっぽっちも考えていないのが特徴。報道している側もなんの事やらと言うスタンスが見え見えで、保険診療と自費診療がどういう仕組みなのか全く理解していない。どうしたものか。。。。。思いつくまま個条書き・・・
1,日本の保険診療での歯科治療費は世界一安い(社会保障に歯科が全て含まれているシアワセ)
2,仮に日本より安い国があるとすれば、一部の共産国か税率の異常に高い国(ワシの知ってる限りでは無い)
3,昭和41年以降、補綴に関して混合診療が認められる(補綴の種類が自費も含めて選択肢を持つ、この中にインプラントも入ると考える)
4,自費診療に関して、治療費の設定は各医院の言い値
5,欧米に全く引けを取らないそれ以上の技術と材料は存在するが、社会保障の中に取り入れられない
6,5に関する自費高額治療費が、1と比較され、儲け主義との誤解を受ける(世界レベルではあたり前の費用が国内では高額と見られる)
7,日本での低い評価の保険診療が、出来損ないの治療に繋がるから、自費へ移行するのが望ましいと考える歯科医師が増えている
8,素晴らしい技術だからと保健だろうが自費だろうが関係なしに偏向報道
9,国民は歯科医療システムを完全に誤解している
10,7を否定する診療体形(保険診療で完璧に)が現実に歯科経営を窮迫
11,最も重要なのは、この仕組みを良く分かっていない歯科医師があまりにも多い
ここまで書いてふと気がつきました。イケイケドンドンじゃないと全く食えなくなる米国の歯科医療の毒が、奇麗にカモフラージュされて我が国に浸透してるんだとね。というのは、人と違う優れた技術や材料を次々と駆使していかないとだめなのが米国の歯科の現状。常に隣の歯科医院と競争競合しなければならないわけで、理由は簡単、治療費が全額自費だからと言う事と、民間保険会社の査定が異常に厳しいから。当然歯科医師も多いしね。ニューヨークでタクシードライバーをしながら季節開業する歯科医師は現存。いわゆる負け組歯科医師。で、クリスマスにサンタの格好やスーパーマンの格好で診療する歯科医師もまたロス在住(笑)。負け組かどうかは知らないけれど、患者さん確保のこのパフォーマンスの評価は米国でさえ高いはずが無い。こう言う勝ち負けの仕組みが巧妙にシステムの中には入り込んでいるのが米国の毒でしょ。もともと日本の社会保障にそんな物はあり得ないわけで。これが混乱し誤解され偏向報道される。
国民の皆さん!いいですか。保険診療に真摯に取り組んで素晴らしい技術を持ち、しかも保健診療に十分還元している先生方は、日本中にごまんといる事をお忘れにならないように。。
Posted: 火 - 4月 28, 2009 at 11:32 午後