保険料


いかに日本の医療制度が安いかを実感

GHQの支配下、並の下のどんぶりをみんなで食べられるように考えられた国民皆保険。何もなかった戦後の混乱期、最低限の必要十分な医療は誰でもうけられるようにとの発想は素晴らしい物があると思います。価値観が多様化した現代、千葉の某私立病院から始まった医療差別化の波は、「患者様」という新しい呼称特権を特別な医療付加価値に置き変え「患者さん」という従来の呼称から格上げすることで自院のアイデンティティを確保することに終始しているわけです。
ですから、医療現場の保険診療の低評価の思いとは裏腹に、患者サイドにしてみると、知らないうちにできあがったエコノミークラスの格付けやビジネス、ファーストクラスの格差であったりするわけです。その中に我が国特有の保険診療の概念がどれほど入り込んでいるのかは定かではありません。開業医としての成功が、ファーストクラス、ビジネスクラスに特化した医療であるというのなら否定はしませんが、ならば世論の格差是正の動きの結果こその民主党圧勝なら、これほど矛盾した話はないわけですね。
要は、いかに日本の社会保障制度の中の医療システムにおいて、どんなに低評価でもほとんどの医師らは文句も言わず黙々と仕事をしている最大の理由は、医師の倫理と武士道に他ならないわけです。特に歯科の場合、国民医療費のわずか7%であるにもかかわらずです。その中に前述の付加価値医療の感覚だけを取り入れてもなかなか無理という物。だいたい、一番近しいディーラーやメーカーが、分院形成の大規模経営歯科医院を勝ち組のビジネスモデルともてはやすあたり、この人達の多くも何も分かっちゃいないことが歴然です。

そんな状況も、所変わればで、ワシの息子がいるスイスでの医療保険状況はと言うと、、、、これがびっくり。高校生なのに医療保険だけで月の保険料は25000円くらいですよ。一般的にこれが簡単に払える学生ってどれくらいいるんでしょう。でも、これこそが付加価値医療の最先端。絶対に24時間体制で、医師と入院部屋の選択権があります。日本の制度じゃ考えられませんね。ちなみにこれに歯科医療費は含まれません。
これが現実なんです。もちろん毎月の金額を下げれば、医療のグレードも下がるんです。世界はこんなものなんですから。分け隔て無い日本の医療制度のすばらしさが分かると言う物です。
ちなみに、興味のある方はこちらをどうぞ 。。

しかしよく考えてみると、歯科の場合、医療レベルのグレードを上げるための費用の算出が、見事に混合診療に引っかかるケースが多くて、皆困惑するわけで、だからといって保険医を辞退するなんて、国民医療を馬鹿にしている独りよがりの決断。可能な限り国全体の医療システム改善に向けて努力することの方が人としての価値を見いだせるというもの。


Posted: 金 - 9月 18, 2009 at 05:04 午後        




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