クリニカルコーディネーターの誘い
いい加減、もうこんな事はやめないか?と、提案(笑)
無資格者が医療をコーディネートするという、人格破壊の所行を後ろから後押しする歯科医師の問題という話を、大阪で聞いてきたばかりだったのですが、仲の良い知り合いや東京からのお誘いに、「ちょっと待ってよ、もうやめようよそんなこと」と思わずつぶやいてしまったのでした(笑)。。
Fさんは、笑顔がとてもすてきなN歯科医院の受付です。明るくてはきはきしていて元気な彼女は、患者さんにも医院スタッフからも愛される素敵な女性です。そんな彼女に院長からある提案がありました。先日参加したセミナーで歯科治療のコーディネーターをアシスタントが行っていると言う話を聞いたので、その研修に参加してみないか?
Fさんはやや躊躇しましたが、思い切って飛び込んでみることにしたのです。持ち前の性格と明るさから、コーディネーターとしての頭角をめきめき現してきた彼女は、N歯科医院の重要なポストになりました。半年も過ぎたあたり、非常に癖のある患者さんにはまってしまい、彼女は生まれて初めての罵詈雑言をはかれます。周囲のスタッフは心配しますがここまで培った自分のプライドが彼女をかたくなにするのです。何とか自分で解決しなければと。以前院長からも、「普通のアシスタントではなく、医院のために自立したプライドを持てる女性として活躍できる」と言われたし。
Fさんは周囲のスタッフとも、実はうまくいかなくなっていました。自分がこの医院を支えるほどの仕分けをしているんだという責任は、本来の彼女の持っている誠実さと相まって、小さな彼女の胸の内に重くのしかかり始めていたのです。私がコーディネートしたおかげであなたたちだってこうして仕事が出来ているんじゃないの。そんな、今まで考えたこともない様な事が頭をよぎります。自然、スタッフとの会話も減り、重苦しい空気の中、彼女はとうとうコーディネーターとして1年を少し過ぎた頃N歯科医院を退職したのでした。
退職する数ヶ月前から、彼女の顔からは、以前の屈託のない笑顔が消えていたことはもちろんなのです。
彼女は幸せだったのでしょうか。
これは紛れもない事実です。彼女をここまで追い込んだのはこの仕事であることは間違いありません。この仕事の重要性をワシは何度もこのブログに書いてきましたが、この事実を聞いた時やはり胸が痛みましたね。何故、カウンセリングの資格や心理学の単位を取ったこともない素人にこんな重要な仕事をさせるとはどうかしてますよ。
これは、医師の仕事です。米国にはアシスタントドクターがいますが、歯科にはありません。そんな大変なことをアシスタントにやらせている院長は、どうかしてるぞ!Fさんの笑顔はもう二度と帰ってこないかもしれませんが、責任取れるのか?この院長。自院歯科医療のコーディネートとか一番重要な仕事を院長がやる、これ当たり前です。立場的に弱いスタッフを身を挺して守る。これ院長の仕事ですから。
まだ、これが流行るとか、これからの歯科医院はこうじゃなくっちゃとか、そんな状況から早く抜け出しましょうよ。犠牲者が増える前にね。。。。
Posted: 土 - 3月 6, 2010 at 09:59 午前