歯科点数改訂と診療内容の変化
評価によって診療内容が変わってもらっては困る
来週の説明会をシンプルにするべくあれこれ勉強してますが、じっと考え込んじゃったりします。どうしてかというと、ワシは開業して今年で22年目に入るわけです。22年前と何か恐ろしく違うことをしているかというと、そうではありませんよね。同じ事を材料や機材の進化に合わせて合理的に行っているだけで、人の体の反応が20年前に比べて進んでいるとか、進化しているとかと言うことは無いのです。
技術的な問題に限って言えば、自慢じゃありませんが(笑)、20年前自分のしている事が同業者に全く理解されず嘲笑されたようなことが今では普通になっていると言うことはありますわね。いつも「センセは時代より早すぎる」とよく言われますが(笑)。中には、今では全国的にメジャーな某先生が、かつて、ワシが普段使っていたヘッドセット型のスコープを痛烈に批判したんですね。臨床現場にはマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)というものがあるから、8倍とかの高倍率ヘッドセットのスコープは必要ない。2~3倍で十分だ。。。。とかね。ワシはヘッドセットの8倍のが簡便性や機動性のことを考えると、でかい高額なマイクロスコープよりづっと日常臨床の役に立つと信じていたし今もそうしている。技工士の使う8倍のスコープと同倍じゃなければ意味がない、とかね。加えて、数百万円する機動性に優れないマイクロスコープの一番使う倍率は8倍。それ以上になると人の手の動きと視覚を連動させる大脳トレーニングが必要になるので非常に疲労するんですよ。普通の感覚で手を動かせる限度が8倍ということね。それをワシはワシで機会ある毎に力説していた(笑)。必要だと思った場所ですぐ使えなければ意味がない。。。で、それを鼻で笑われた(笑)。
ところが最近ある雑誌でヘッドセット型8倍スコープを絶賛している記事が目に飛び込んだ。それを言っている先生の名前を見て驚いたね(笑)。そいつじゃん(笑)。8倍のスコープ以外はスコープじゃない、これを使いこなしてこそ本当の歯科医師だ云々。。。うははははは。やられた。
それはそうと、本題に戻りますが、点数の貼り付け作業という言葉を使う厚労省は、歯科処置等に対して時代に即した医療行為評価としての額を決定しているのですが、それはあくまでも建前。本音は、かつての厚生省事務次官吉村氏の「医療費亡国論」の呪いが、金科玉条のごとく厚労省のみならず政治家の間にもまことしやかにまつられているからに他ならないわけです。とはいえ、国民医療費の伸び率とはかけ離れたところにある歯科が何故にこうも迫害されるかと言えば、簡単。歯科医師おばか論、これにつきますね(笑)。保険診療の世界では、医科歯科連係を保護にしたおかげで、かつての武見会長に墓場の乞食呼ばわりされようがお構いなしのお上の言うがままを信じたおかげで、結局評価が下がりに下がる。自費診療も混合診療も理解できずに、米国様の言いなりを盲信。おかげで国民歯科医療の根底とも言うべき国民の信用を大きく無くした。その結果5人に一人の歯科医師が年収200万以下という、歯科医師になるのは大変だけれど魅力のない職業ベスト3に入ってしまったのですよ。
どうなるのかな、今年は。。なんて言う心配はよそに、やらなければいけないこと、考えなければいけないことは、いつも一緒ですから(*^。^*)ご安心を。ワシらの業界の問題が患者さんに悪い意味で反映するようなことはありません。それが医療です。ご安心を。
Posted: 木 - 3月 25, 2010 at 05:16 午後