開業医ごときに成り下がる


大学人が好んで使うこの言葉は正しいのだろうか?

本日、あるタウン情報誌がインプラントに特化したページ特集と言うことで、営業マンが広告を取りに来ました。かつて盛岡ではこういう特集を組みましたと言って見せられた複数医院の広告の下品さ醜さは、最近ではHPですでにおなじみの売国奴のごとき医院コマーシャルでした。かつてこのブログでも紹介した、朝日新聞出版の「いい歯医者」などという下品さの極みでなおグロい広告本を思い出してしまい、そのまじめな広告マンに教えてあげました。
情報を欲する一般の方々には、こういう情報提供がうれしいのか?本当に疑問です。各医院の広告前面はインプラント一本16万円!うちでは15万円!!なんていう投げ売りの数字が踊るんですけれど、スーパーの安売り広告と同列意識でわしら同業者の広告がこうもならぶと悲しい気持ちになりますな。あげくにこういう広告内容は医師法違反だし。
こんなんで、インプラント施術医院選んでいいんスカ?本当にいってみようと思うんスカ?マジスカ?

昨晩、地域医療委員会というのがありまして、障害者歯科治療問題を話し合いました。障害をお持ちの方やその親族が、歯科治療を受けたい受けさせたいと考えた時、この国の障害者に対する歯科治療のシステムはとてもお粗末なモノなんです。八戸は赤字になってもかまわない(障害者歯科は確実に不採算です)覚悟の病院歯科や専門医院がありませんからなおさらなんです。そこでワシらは、身体障害、知的障害、精神障害をお持ちの方々が、とりあえず近場の医院を訪れ、簡単な問診でスクリーニングが出来るようにシステムを作ろうとしています。一般開業医のレベルで何処まで対応できるのかケースバイケースなのですが、そこで不可能な場合、障害者専門に扱う協力医を紹介し、なをかつ高度な障害の場合、協力して頂ける高次歯科医療機関に行く事が可能なようにルートを造ると言うことです。

その協力医の先生には頭が下がります。ほぼ手弁当で、大きな不採算を覚悟の上で、障害者という大きな壁と対峙しての歯科治療は、学術的にも社会学的にも、そして政治的にも、、想像を超える困難があります。わしは、こういう頑張っている先生こそ、なんとか採算が取れるようにしてあげたいと心から思うのです。しかし、行政はまるで分かっていませんから、血の涙をのむんです。そんな先生が言いました。
「最近はさ、予防とか口臭とか物凄いキレイなおしゃれな診療所が近所にあるんだけれど、大声で泣いたり、騒いだりする子がいると他の患者さんに悪いイメージだからって返すんだってさ。そう言う患者さんが、こぼれてうち来るわけよ(笑)。そんな患者さんはさ、俺は障害者治療で慣れてるから、あたりまえというかどうって事は無いけど、普通それだけの理由で診療を拒否して返すか?患者を。」

開業医とは、かくも正義に従順であるか、どちらが「ごとき」と呼ばれるかは、明白なのです。本物の開業医をなめるんじゃないよ(笑)。

Posted: 金 - 7月 9, 2010 at 10:50 午後        




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