硬質レジンもしくはポーセレンによる補綴をする場合、必ず避けて通れないステップとしてシェードテイキングがあります。
通常、歯科医師及び技工士さんが一緒にシェードテイキングする場合が多いでしょうが、その結果を忘れてしまう事もままあります。まして、シェードテイキングに技工士さんが立ち会えない場合、どうしても歯科医師サイドでそれを行い、技工士さんに伝達しなければなりません。それは非常に難しい作業です。我々歯科医師よりも技工士さんの方が色に対しては、もっとシビアですので、満足させる情報を技工士さんに与えることが自分には出来ませんでした。で、この現在このシステムを採用しております。
以下の画像は全てデジカメです。
方法は簡単です。シェードガイド1本では、比較が出来ませんので、シェードガイド3本をガミーに入れて一緒に撮影するのです。この場合、別なタイプのシェードガイドを組み合わせた方が、よく解るようです。
で、技工士さんには、シェードガイドを実際に見た色調とPC上でみた色調がこのように違う。従って、この歯の色はこうだな・・・って推察してもらいます。
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図.1はデジカメで撮影したまんまの画像です。これだけ渡されても、何も解りません。図.2はこれにシェードガイド3本をガミーの中に入れて一緒に撮影した画像です。これで、やっと、色の比較が出来るようになります。でも、これでも白すぎて中に隠れている色がよく解りません。図.3は、図.1をフォトショップのトーンカーブを変えて、暗くした状態です。そうすると歯の中に隠れている色が見えてきます。図.4は図.2を同様に処理した状態です。これで、もしこの患者さんの上顎中切歯を作るとすると、B-1がベースになるかな・・・という事が想定できます。勿論、この画像は技工士さんと一緒に見ながらディスカッションします。
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図.5のような患者さんの前歯を補綴しなければならないとなったら、自分は絶対に、確信を持って、間違いなく、伝えられません(笑)。これは画像が小さくてシェードガイドのナンバーが読めませんが左からB-3・A-3・A-3.5です。同様に図.6はシェードガイドと一緒に撮影した画像で、図.7はトーンカーブで濃くした奴です。図.7の状態ですと、本当にいろんな色が至る所に見えてきます。
このようにしてシェードテイキングして作製した症例を報告します。症例をクリックすると別なブラウザで開きます。
以上、デジカメを用いたシェードテイキングの方法をご紹介させて頂きました。
今回アップしている画像は200Kですが技工士さんに送るときは500Kくらいの大きな画像で送ります。アップロード・ダウンロードに時間がかかりますが、やはり大きい方が見やすいですから。
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